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肛門温存手術

肛門温存手術

直腸癌の肛門温存手術

久留米大学病院では直腸癌に対する肛門温存や肛門機能温存手術に力を入れてきました。
直腸は、食物の通り道である消化管の最後の部位で、大腸のうちで一番肛門に近いところにあります。がんを治すための手術では、がん周囲の正常な部分を含めて広く切除しますので、直腸がんが肛門のすぐ近くにできてしまうと、直腸と肛門を一緒に切除して人工肛門を作らざるを得ない場合があるのは事実です。
しかし、直腸がんでは病巣から2cm以上離れた肛門側まで、がん細胞が広がることはほとんどありません。そこで、近年は従来では永久的な人工肛門を必要としていた直腸癌に対して、極限まで癌の根治と肛門温存の両立を可能とすべく、様々な手術が考案され、技術の進歩を見せています。その、代表的な手術にISR(括約筋間直腸切除術)やESR(深・浅外括約筋切除(ESR))があります。

これらの術式は、国内では当科前々教授である白水和雄が先駆者となり、現在の手術手技の普及に至っています。
現在も、当院では積極的に肛門温存手術に取り組んでおり、手術前の放射線治療や抗癌剤などを併用しながら、がん病巣を小さくし、肛門を温存できる可能性を高めることも行っています。また、術後の肛門機能のフォローアップにも力を入れており、術後に安心した生活を送れるようにサポートを行なっていきます。肛門温存手術の適応についてはがんの根治との両立が重要になるため、慎重に検討する必要があります。
詳しくは、当科にご相談ください。