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女性医師からのメッセージ

女性医師からのメッセージ

奥 裕美 2024(令和6)年 入局

 私は2020年韓国建陽大学を卒業し、韓国の医師免許を取得後日本に帰国しました。帰国後は厚生労働省の審査を受け、日本の国家試験を受験し医師免許を取得しました。2022年より久留米大学病院で2年間初期研修を経て、久留米大学外科学講座に入局しました。私は海外で医学を学びましたが、学生の頃から言語の壁を越えて技術で患者を救うことができる外科医に憧れていました。外科医に憧れていたものの、実際は仕事がハードでどこか怖いイメージがあり、外科医の道への選択肢を躊躇していました。しかし、研修医の頃に外科で研修をさせて頂き、どの臓器グループでも雰囲気が良く、先生方が親切・丁寧に指導して下さり、アットホームな外科の雰囲気を肌で感じて入局を決めました。
 外科1年目には大学病院で各臓器別グループをローテーションしながら研修をすることができます。外科専門医に必要な症例数を経験できるだけではなく、より専門的な症例を経験できることで将来の進路選択において、とても貴重で有意義な時間になると思います。希望次第では集中治療室や高度救命救急センターで術前・術後の全身管理や外傷症例の経験もでき、外科医に必要な総合的な力が身につくプログラムになっています。また、経験未熟な専攻医1年目の私ですが、各グループで執刀経験や学会発表の機会を与えて下さり、出身大学の垣根を越えて教育・経験の機会を与えて頂けることは、久留米大学外科学講座の最大の魅力であると思います。
 外科医の働き方について、外科入局に不安をお持ちの方がいるかもしれません。私も外科入局を決める時は同様の不安や悩みがありました。しかし、外科学講座全体で医局員をケアしながら、よりよい環境で働くことができるように、多方面に渡り努力と改善・配慮して頂いているのを感じる時が多々ありました。また、近年外科医の人手不足が話題になる事がありますが、久留米大学外科学講座では毎年多数の先生方が入局されておられます。数年前より新たに専攻医室も設けられ、同期の専攻医と和気藹々とした雰囲気で支え合いながら、共に成長できた1年間となりました。女性外科医の先生方も家庭と仕事を両立させながら第一戦でご活躍されており、女性外科医としても働きやすい環境です。
 今後のキャリア形成・仕事と家庭の両立など、将来の選択肢を決めることは決して簡単なことではないと思います。もし外科系に興味をお持ちの先生方がいらっしゃいましたら、是非久留米大学外科学講座に一度お越し頂き、実際に久留米大学外科学講座の良さを感じて頂けたら嬉しいです。皆さんと久留米大学で共にお仕事ができる日を楽しみにしています。

中村 彩乃 2019(平成31)年 入局

 外科に入局して2年が経過しましたが、毎日が学びの日々です。
1年目は大学病院に在籍し、2・3ヶ月毎に消化器外科や心臓血管外科、胸部外科、小児外科をローテーションしました。大学病院でしか経験できない手術をたくさん経験させていただきました。助手として手術に参加する事が多く、目で見て覚える事が多かったです。毎日一生懸命指導医の後ろをついて回っていました。2年目は関連病院で消化器外科として勤務しました。1年目とは打って変わり今度は自分が外科医として執刀を任される機会が多くなりました。勤務先が救急病院ということもあり、重症患者の執刀から術後管理まで主治医として任させることもありました。目でというより身体で思えることが多かったです。今後は4年目で予定通り外科専門医を取得できればサブスペ専門医を目指します。また、同時に博士号も取得しようと考えています。
 久留米大学病院外科学講座では医局長を始め、上級医が若手一人一人を気に掛けてくださいます。私は他大学出身且つ、入局同期では女医は1人でしたが、そんな垣根など無く、楽しい仲間と尊敬できる上級医のもと、のびのびと外科医として邁進しております。外科医を目指す皆さん、是非一緒に働きましょう!

谷口 寛子 2016(平成28)年 入局

 久留米大学外科学講座では入局1年目に各専門分野をローテートし、2年目以降は地域の関連病院で研修をすることになります。私はローテート中に手術はもちろんですが、術前・術後の全身管理に興味を持ったため、無理をお願いし2年目から麻酔科で研修しています。約2年間外科から離れ同期にも遅れをとることを考えると悩みましたが、関連病院では自家麻酔の施設もあり、「鉄は熱いうちに!」と信じて現在は麻酔科の標榜医をとることを目標に日々頑張っています。
 当大学の場合、専門分野を決めずに「外科学」に入局することになるため良く言えば選択肢は広がりますが、自分の将来について入局してから悩むこともあります。まさに私がその一人で、特に女性の場合は今後の人生のことまで少なからず考える時があると思います。医学部入学者に女性の割合は増えつつありますが、医師の世界、特に外科はまだまだ男社会だと感じます。しかしその中でもいつもにこにこ優しく、手術の時にはバリバリ執刀されている女性の先輩方もいらっしゃいます。ある程度覚悟して入局した外科ですが、やはり辛い時、苦しい時はあります。そんな時に素敵な先輩方に声をかけていただき、たくさん支えて頂いてここまでやってこられたと思います(もちろん男性の先生も優しいですよ笑)。楽しいことばかりではありませんが、興味を持たれた方がいらっしゃれば見学にこられてください。

朔 周子 2013(平成25)年 入局

 2011年に久留米大学医学部を卒業し、2年の初期臨床研修をへて2013年に久留米大学外科学に入局しました。
医師になり、どの道に進もうかと悩んだ時、私は「女性であることを活かしたい」と考えるようになり、数ある診療科の中から外科医になることを選びました。男性が多い外科医の世界で「女性の先生でよかった」と患者さんに言われる時、仕事に対するやりがいを感じます。体力面や出産、育児など、女性医師には仕事を継続するなかでの課題がたくさんあります。特に外科に関してはなかなか仕事を続けられないというイメージも強いかもしれませんが、外科は手術に関しても、術後管理に関してもチーム医療でやっていますので助け合いながら多くの女性外科医の先生たちが仕事を継続できています。 現在、医師の中でも女性医師の割合が増えてきているなかで、女性医師の医療離れが課題となっています。外科という大きなくくりの中で、検診、診断、手術、治療と様々な方法で患者さんの病気にはじめから最後まで深く関わることができるため、自分の人生のあらゆるシーンに対応した働き方ができるのが当大学の外科学講座の魅力です。

髙尾 優子 2013(平成25)年 入局

 外科は一般的に「きつい」「大変」のイメージが強いかと思います。私自身、外科学講座に入局を決める際にはとても悩みました。また、入局後実際に男性陣との体力の差を感じたり、きつくてやめたいと思ったりしたこともあります。しかし、外科は女性医師として活躍できる場がたくさんあります。特に肛門疾患や乳腺疾患においてはなかなか他人に相談したり受診したりするのが恥ずかしく感じてしまい受診を躊躇してしまうケースが多くみられます。そんな方々が勇気をもって受診され「女の先生でよかった。」「先生がいるなら早くくればよかった。」「先生に手術してもらえてよかった。」などと安心した表情をされる場面に遭遇すると女性外科医としての道をえらんでよかったと感じます。
 久留米大学外科学講座にはたくさんの女性医師が所属しており、ここ最近では同期に数人の女性医師がいることも珍しくなくなってきました。女性として仕事だけでなく、結婚や出産・子育てを御経験されている方、趣味を謳歌されている方など多くの方々がプライベートも充実しています。また、外科医として女性として悩んだ時には、同じ境遇の同期や多くの先輩に相談することができ、とても素晴らしい環境で外科医生活を過ごすことができていると感じます。外科に興味があるけど、入局を悩んでいる方がいればぜひ一度見学にいらしてください。

岡部 実奈 2013(平成25)年 入局

 2013年に入局し、外科研修を終えて現在大学院に進んでおります。働く女性にとって将来のライフワークバランスについて一度は考えたことがあると思います。仕事や勉学に全力を注ぎ修練を積むことは医師として成長する上でとても大切なことです。しかし、結婚、妊娠、出産、育児など家庭をもった生活となればいかに仕事と両立していくかが大切になるのではと思います。
当科では33名の女性医師が入局しており、多くの先輩方が様々な分野で活躍されています。私自身、入局前は結婚して子供ができてからの生活について不安に感じていましたが、子育てと仕事を立派に両立されている先輩や子育てが落ち着いて更なる活躍をされている先輩方の姿を実際にみてその不安は消えていきました。(勿論たくさんの苦労と努力をされていると思いますが…。)
 それぞれの生活環境に応じて仕事に打ち込めるのは外科医局全体の理解があり、各自の考え方や生き方を尊重してくれる環境があるからではないでしょうか。大学院に入学後、結婚・出産を経験し現在育休中で学位取得後は臨床へ復帰予定です。仕事と子育てとのバランスを初めから上手にとることは難しいかもしれませんが、そのような女医さんをサポートしてくれる環境が医局にあることを心強く思っております。外科に興味があるのに女性特有の悩みで入局を躊躇するのはとても勿体ないです。是非、見学に来て頂けたらと思います。

野村 頼子 2010(平成22)年 入局

 私は他大学を卒業し、大学研修医が終わった後、市中病院に外科の後期研修医として就職しており、6年目に久留米大学外科に入局しました。様々な先生方との出逢いにより、結果的に流れ流れて現在肝胆膵外科学を専門とし、今では興味深い分野に巡り会えたことを嬉しく思っています。近年女性外科医が増えては来ていますが、やはり心臓血管外科、肝胆膵外科は長時間手術であることや、手術の特性から女性が少ないのが現状です。将来の展望など不安要素が多い事も否定はしません。しかし、女性に限らず、個々の医局員がそれぞれの展望、それぞれの適正に応じ、外科学や肝胆膵などやりたいことを続けていくための違った外科医の形をサポートしてくれる先輩方がいます。
 私は、場面により女性が必ずしも男性と対等である必要はなく、肩肘を張る必要はないのではないのかと思っています。女性にしか出来ないこと、女性だから求められることもあります。だからといって女性だからすべてが許されるわけではなく、手術をするからにはスキルアップする義務はあります。だからこそ厳しく、悩むことは多いかと思いますが。幸い、私は誰も知った人がいない大学に来ましたが、いつも気を配って見ていてくれる先輩、私をこっそりかつしっかりサポートしてくれる後輩達に恵まれています。色々な外科医の形があっていいと思います。個々の外科医のあり方をサポートする、気を使わずに話せる医局があります。オススメポイントが沢山あるわけではないので心苦しいですが、外科女医みんなたくましく、楽しく暮らしています。少しでも増えてくれたら嬉しいです。

長主 祥子 2010(平成22)年 入局

 近年、医学部に進学する女性の数が増加し、医師になる方の3分の1が女性という時代となりました。これに伴い、外科分野を選択する女性医師数も増加しております。近年では、全国的にも女性医師の割合は明らかに増加しており、女性医師の仕事環境や生活環境について学会でもテーマになっているほどです。私自身は、初期研修を行う中で、正直、将来の科、医局に関しては非常に悩みました。最終的には自分の興味がある外科を選択しましたが、外科はまだ男性社会のイメージが根強く、心配に思うことも多くありました。
しかし、久留米大学外科に入局して一番心強いと思ったのは、頼れる先輩女性医師の存在です。なかなか男性の先生を目標にしにくい時、やはり同じ科の女性医師の先輩を目標にし、時には悩みを相談したい、と思うことがあります。そんな時にロールモデルとなるような尊敬できる先輩方とお話できたりする今の環境はこの上ないと感じています。
 現在、当科には在局女性医師は22名いますが、関連病院の院長先生をはじめ、大学病院勤務の先生方や大学院生まで幅広く活躍されておられます。また、育児中の先生もおられますが、非常勤体制での復帰など、相談しやすい環境が整いつつあり、個々に柔軟に対応してもらえています。
 人生は一度きりです。女性医師である、あなたにしかできない医療が外科にはあります。外科に興味があり、悩んでいるのならば、まずは一度気軽にご相談ください。いつでも歓迎いたします。