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外科系集中治療部(SICU)

外科系集中治療部(SICU)

SICU部長 教授
光岡 正浩
SICU専従医 准教授
有永 康一
SICU専従医 助教
佐藤 晃

外科系集中治療部(SICU)は外科系病棟の各臓器別にあった集中治療室を集約し、2014年5月より総合診療棟7階に新たに運営を開始しました。病床数はICU18床、HCU12床です。入室患者は基本的には外科系の全身麻酔症例で、重症度に応じてICU、HCUに搬入されます。また、近年救急対応システム (RRS: rapid response system)の拡充により少しずつですが内科系の敗血症性ショックなどの症例も受け入れを開始しました。病棟の管理は各診療科とSICU医師で行うtransitional ICUの体制を採用しています。

診療内容と特色

表1)主な特殊処置稼働状況(2023.4.1-2024.3.31)

私たちは現場で時に感じる違和感の感覚を大切にし、更に小さなサイン見逃さないをモットーに多職種で相互尊敬を基に集中治療に取り組んでおります。
現在スタッフは7名で、部長は呼吸器外科の光岡正浩教授です。専従医は循環器内科と救急領域が専門の佐藤晃先生、そして心臓血管外科と集中治療が専門の有永康一の2名で、そのほかに兼任医師4名で診療を行っています。臨床工学技士は1名24時間常駐し、専従の理学療法士は1名です。そのほか、薬剤師、疼痛管理チームを含め多職種による早期回復ラウンドを行っています。 2023年4月から2024月3までの実績はSICU入室者1632名でした。外科の内訳は心血管440名、呼吸器248名、肝胆膵179名、大腸胃食道101名です。その他脳神経外科、産婦人科、整形 外科、泌尿器科、耳鼻科、形成外科や術後以外の院内の敗血症や呼吸不全症例などを受け入れました。HCU入室者は1168名で外科の内訳は胃大腸303名、呼吸器193名、心血管184名、乳腺52名、肝胆膵75名でした。昨年の特殊治療を表1に示します。重症心不全管理、敗血症、血液ろ過治療など幅広く行っております。院内のハイリスク症例の集約管理が可能となり医療安全的にも有意義であると実感しています。2021年6月より特定看護師が特定行為を開始しました。特定行為を通じて医師とタスクシフトを行い臨床面で活躍しております。特定看護師は昨年まで2名でしたが本年より3名となりました。また、外科後期研修でSICUの選択も可能で、循環作動薬の使用や人工呼吸器など様々な人工臓器の取り扱いを学ぶことで、ショックの循環動態の把握に基づく治療戦略の考え方とその実践習得を目標としております。

研修について

光岡正浩(SICU部長)

全身管理を学びたい医師へ
久留米大学病院外科系集中治療部では、全身管理を学びたい医師を募集しています。当分野は、手術侵襲を受けた生体が数日間で回復に至る過程を手助けできることが最大の醍醐味であり、同時に人工呼吸器や体外循環などの特殊機器の扱い方、循環器用剤・呼吸器用剤の使用法など多岐に渡ったトレーニングが受けられます。対象は若手医師からベテラン医師まで、期間は各々の希望に沿って短期間から長期間まで広く募集します。マンパワーを確保することが医療の質に直結し、更に働き方改革として勤務シフト制度など個々の医師のライフスタイルに合わせた勤務体系の確立を目指しています。興味のある方は是非ご一報ください。

有永康一(SICU専従医)

研修システムについて
久留米大学の研修システムに登録され、前期研修時に選択可能です。また、外科研修医は周術期にSICUで術後管理(呼吸循環の把握、特殊装置の運用)を体験し体得していただきます。その他、SICUでの研修希望者はどなたでも随時受け付けております。

佐藤 晃(SICU専従医)

スタッフより一言
2013年から循環器内科よりSICUに出向し、これまで私自身が習得した内科、救急領域の知識、経験を生かしつつ重症患者の診療に携わっております。SICUでは、各専門医や専門職の方々と常にチームで診療を行うため、内科的な知識のみならず、外科的知識や手技、人工呼吸器や透析、体外補助循環装置(ECMO、IABP、Impella)などの各種医療機器の設定や操作、感染症対策や対応、栄養管理、更にはリハビリテーションまで、それぞれの専門家が最も得意とする専門知識、技術を幅広く学び習得することが可能です。そうして身につけた技術や知識を元に、重症患者さんを救命し得た時、異常を早期に感知し適切に対応することで危機を回避出来た時、患者さんや各担当科の先生、チームスタッフの感謝や信頼を得ることが出来る事に、面白味ややりがいを感じております。