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スリーブ手術

スリーブ手術

肥満減量手術(スリーブ手術)

肥満になると糖尿病・高血圧症・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群などの肥満関連健康障害を引き起こしてきます。肥満が高度になるほどこれらの合併症は増悪し、健康寿命が短くなります。日本ではBMI≧25(BMI: Body Mass Index, 体重kg÷(身長m)2)を肥満としていて、BMI≧25で肥満関連健康障害を有する方を肥満症、BMI≧35で肥満関連健康障害を有する方を高度肥満症としています。肥満手術により肥満健康障害の多くが治癒・寛解に至る事が報告されています(糖尿病85.5%, 高血圧82.2%, 脂質異常症82.2%)。
また、病的肥満患者の予後を追ったカナダの研究報告では、手術を受けた方の5年後の死亡率は、手術を受けなかった方の1/9でした(Ann Surg. 2004 Sep;240(3):416-424)。2014年に日本で行われた肥満手術は222件であったのに対し、アメリカでは19万件の手術が行われました。同じアジア圏の韓国で約900件、台湾は2400件であり、日本ではまだ普及していません。肥満手術には①スリーブ状胃切除術, ②胃バンディング術, ③胃バイパス術, ④スリーブバイパス術がありますが、日本で保険適応とされているのは腹腔鏡下スリーブ状胃切除のみです。手術適応は、年齢が18歳から65歳までの原発性(一次性)肥満であり、6ヶ月以上の内科的治療によっても十分な減量効果が得られない方のうち、以下のA)もしくはB)の条件を満たす場合に保険適応となります。
6ヶ月以上の内科的治療によっても十分な効果が得られない下記の肥満症患者。
A) BMI≧35以上であり、糖尿病・高血圧症・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群のうち1つ以上を合併する。
B) BMI32〜34.9で、HbA1c≧8.0%の糖尿病、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群のうち2つ以上を合併しているもの。

日本における高度肥満症に対する安全で卓越した外科治療のためのガイドライン2013年版より