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第47回日本栄養アセスメント研究会が開催されました

第47回第47回日本栄養アセスメント研究会
開催日:6月20日(金)~21日(土)
開催地:神緑会館記念ホール

2025年6月20日~21日に神緑会館記念ホールにて日本栄養アセスメント研究会が開催されました。
当科から参加した消化器外科 石橋生哉教授の学会体験記をご紹介いたします。

「第47回日本栄養アセスメント研究会」に参加して

日本栄養アセスメント研究会は1983年に発足し、栄養評価に関する研究の進捗と普及を図ることを目的とした研究会で、「栄養 Trends of Nutrition」という機関誌を発行し、現在は年に1回の学術集会を開催している。今回は、第47回日本栄養アセスメント研究会学術集会を2025年6月21日に神戸大学医学部福利厚生施設神緑開館記念ホールにて神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 災害・救急医学分野教授 小谷穣治先生が主催した。
久留米大学からは、一般演題1に小児外科の吉田寛樹先生「慢性消化管出血に伴う難治性鉄欠乏性貧血に対し、カルボキシマルトース第二鉄が有効であった一例」、一般演題2に消化管外科の田中優先生「胃がん患者における骨格筋量評価に関する考察」、一般演題3では久留米大学医療センターNSTの坂口美紀先生「当院における肥満患者の栄養評価について」と合計3演題が発表され、私は教育講演2「重症患者における、栄養アセスメントに基づく栄養療法」の座長を務めた。
2024年の診療報酬改定により、久留米大学病院を含め多くの病院でGLIM基準を世界共通の栄養評価方法として取り入れているが、評価基準の中でも骨格筋量の評価については、基準値の取り扱いなど、今後、様々な体組成評価とともにvalidation studyを行っていく必要があるのではないかという問題提起を田中優先生が行った。特別講演ならびに教育講演1,2では、2024年に改定された「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」について、その作成に直接かかわられた、東別府直紀先生が主にアセスメントと概要について、大島拓先生が主に必要エネルギー量の算定と間接熱量計による測定について、中村健介先生が主に蛋白代謝について講演され、大変充実した内容であり、重症患者の治療にかかわる久留米大学外科学講座の先生方にも是非、聞いていただきたい内容であった。詳細は、日本版重症患者の栄養療法ガイドライン2024からガイドライン先行公開版としてダウンロードして読めるので、是非、一読いただきたい。なお、2026年度の研究会は、東京都蒲田で東邦大学医療センター大森病院栄養治療センター教授の鷲澤尚宏先生が開催される予定である。

文責:石橋生哉