
各 科 の ご 案 内
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開催名:第80回 日本消化器外科学会総会
日程:2025年7月16日(水)~18日(金)
会場:神戸コンベンションセンター
2025年7月16日〜18日に神戸コンベンションセンターにて第80回日本消化器外科学会総会が開催されました。本学会は、日本の消化器外科領域における最も重要な学術集会のひとつであり、全国から多数の医師・研究者が参加し、活発な議論が交わされました。当科からは14題の演題発表を行い、関連病院を含め多くの先生方が参加されました。また今回は、久留米大学医学部4年生の蓑原和希さんも演題発表を行い、貴重な学会体験となりました。(消化器外科 上部消化管グループ 中川将視 記)
蓑原 和希(医学部4年)
「大腸癌患者における硫黄代謝菌(SMB)が腫瘍増殖に与える影響」について発表させていただきました。本研究では、腫瘍微小環境におけるSMBの存在がKRAS変異と関連している可能性が示唆されました。今後は、SMBが大腸癌の発癌・増殖・進展に与える因果的な影響を明らかにすることで大腸癌の治療や予防戦略の構築に寄与できればと考えております。当日は、座長の先生よりご質問を頂戴し、非常に有意義なセッションとなりました。最後に、このような貴重な機会をいただいた指導医の島村先生、ならびに藤田教授をはじめ外科学講座の先生方に深く感謝申し上げます。
◎食道外科 最所公平 先生
私は「McKeown食道切除における胃管再建のベストプラクティス」という要望演題セッションにて発表の機会をいただいた。食道癌手術後の縫合不全は、患者のQOL低下や入院期間の延長を招く深刻な合併症である。当院では、吻合部の緊張を緩和するための手技に改良し、縫合不全の発生率が30%から0%(発表時点)へと大きく改善されたため、本発表ではその工夫と手技の詳細について報告した。食道癌手術における胃管再建は、吻合法や胃管挙上経路などについて施設間で標準術式は様々であり、各施設の工夫が反映される領域である。他の発表では、縫合不全のリスク因子の検討や、逆流防止機構を付加した再建法の紹介など、各施設における多様な取り組みを学ぶことができ、大変有意義であった。
◎胃外科 田中侑哉 先生
ランチョンセミナー
エム・シー・メディカル株式会社
カールストルツ・エンドスコピー・ジャパン株式会社
題名:4K3D技術がもたらす次世代低侵襲胃癌手術~究極のアウトカムを目指して~
座長:藤田 文彦
座長:吉田武史
最所 公平:「食道亜全摘胃管再建術における縫合不全軽減のためのとりあえずの新たな工夫」
合志 健一:「遠隔転移3Stage IV 大腸癌に対するConversion Surgeryの治療成績」
島村 智:「散発性-若年大腸癌と中高年および高齢者大腸癌の予後解析:傾向スコアマッチング」
川本 祐輔:「全国データを用いた異時性大腸癌肝転移R0切除術後における再発形式別のリスク因子の検討」
加来 秀彰:「胃癌周術期管理におけるPTEGの役割」
仕垣隆浩:「腹腔鏡/ロボット支援下大腸癌手術においてどのような症例に術前のマーキングが必要か?」
吉田 直裕:「術前LMRと術後NLRは大腸癌において有用な予後予測因子である」
藤吉 健司:「大腸癌および正常組織ペアの16S解析により指標とした酪酸菌差と全身炎症マーカーの関連」
主藤 朝也:「CGP検査不快になったMSS/TMB_high結腸直腸癌のバイオマーカーの続報」
田中 侑哉:「食道胃接合部癌の低侵襲手術における手術成績と合併症対策」
蓑原 和希:「大腸癌における硫黄代謝菌が腫瘍増殖に与える影響の検討」
田中 侑哉:「4K3D技術がもたらす次世代低侵襲胃癌手術~究極のアウトカムを目指して~」
藤川 葵:「みんなで語ろう、消化器外科のこれから」
大地 貴史:「副中結腸動脈を中心に考える脾臓弯曲部大腸癌への腹腔鏡手術のアプローチ」